市販の洗剤では、お風呂の水垢を完全に落とすことは難しいでしょう。
なぜなら、水垢には数種類の成分があり、その成分や素材に合わせた洗剤を使用しなければ、効果が無いからです。
私はハウスクリーニングを生業としていますが、水垢用の洗剤だけで最低3種類を使用しています。
- カルシウムスケール除去剤
- シリカスケール除去剤
- 鏡のウロコとり専用研磨剤
どんな水垢にも有効な、オールインワン洗剤は存在しません。
お風呂の水垢を落とすのであれば、まずは水垢の成分と、それぞれの水垢に有効な洗剤の特性を知る必要があります。
そこでこの記事では、お風呂の水垢が落ちない理由と、成分や場所に合わせた有効な洗剤についてご紹介します。
水垢の成分は主に2種類
水垢は主に2つの成分があるので、その成分に合わせた洗剤を最低でも2つ使用する必要があります。まずは、水垢の種類について確認します。
カルシウムスケール
炭酸カルシウムが固まった水垢であれば、市販の洗剤でも比較的簡単に除去することができます。
ただし、長年放置された水垢であれば、当然除去は難しくなります。除去が難しくなる前に、定期的に清掃を行いましょう。
軽度の水垢にはティンクル
日々のお手入れにお勧めなのは、「水回り用ティンクル お酢のチカラ」です。
そこまで酷くない水垢であれば、スプレーした後にスポンジで軽く擦れば簡単に落ちます。
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塗りおき可能な酸性ヌリッパー
業務用でお勧めの洗剤は、「酸性ヌリッパー」です。
何よりお勧めのポイントは、酸やけの心配がないということです。
(*酸やけとは、酸性洗剤による素材の変色や劣化)
似たような効果を発揮するものであれば、サンポールなどがあります。サンポールの方が値段も安く、どこにでも売っているので買い求めやすいです。ただし、酸やけを起こす可能性が高いので、注意が必要です。
シリカスケール
ケイ酸カルシウム等を元につくられるシリカスケールは、一般的な水垢用洗剤では落とすことはできません。
落ちにくい白いモヤモヤ汚れの正体は、シリカスケールの可能性が高いです。
シリカスケール専用青鬼
市販ではあまり販売されていませんが、シリカスケール用洗剤【青鬼】をご紹介しておきます。
強力な洗剤であるため、使用する際には、保護具を装着するなど細心の注意が必要です。
業務用のシリカスケール用洗剤としてお勧めは、文化雑巾【ゴーストキラー】です。
商品リンクはありませんが、文化雑巾のページでチェックしてみてください。
水垢の落し方
水垢はその成分に合わせた洗剤を用意する必要があります。だからといって、洗剤さえあれば水垢が落とせる。というわけではありません。
正しい方法を知っていなければ、水垢を落とすことはできません。ここからは、その方法について解説していきます。
アルカリ洗剤で全体の汚れを除去
浴室には、水垢、カビ、石鹸カスなどの複合的な汚れが溜まっています。
それらの汚れを、順番に落としていく必要があります。
石鹸カスが残っている状態で水垢用の洗剤を使用したとしても、効果を100%発揮できません。
まずは、アルカリ性洗剤で、浴室全体の石鹸カスや皮脂汚れを取り除いていきます。浴室の壁や床に付着しているカビも、アルカリ洗剤とスポンジで除去できます。
お風呂用洗剤はアルカリ性であることが多いので、ご自宅にある洗剤を確認してみてください。
業務用であれば、安全性にも優れているスペースショット万能環境クリーナーがお勧めです。
酸性洗剤を全体につけ置き
酸性洗剤をつけ置きをすることで、水垢の除去が簡単になります。
先ほどご紹介した「酸性ヌリッパー」であれば、鏡や窓も含めて全体に塗ることができます。軽度の汚れであれば、10分ほどつけ置きしてスポンジで擦るだけでキレイに取れます。
シリカスケール用洗剤で仕上げ
石鹸カスやカルシウムスケールが除去できても、白いモヤモヤした汚れが残ってしまいます。
シリカスケールは、掃除のプロでも落とすことが難しいものです。洗剤を塗って水で流す。という作業を、時間をかけて何度も繰り返します。
シリカスケール用洗剤は窓ガラスや鏡には使用できません。素材の変色や酸やけを招くので、つけ置きも厳禁です。
鏡には研磨剤配合の水垢除去剤
鏡の水垢は特に固くこびりついているので、研磨剤配合の洗剤を使用します。
市販のものでは、【リンレイ】ウルトラハードクリーナー(ウロコ水アカ用)がお勧めです。実際に私は、ハウスクリーニングの現場でもこの洗剤を使用しています。
極力傷をつけたくない方にお勧めなのが、「S.M.S Japan 鏡のウロコ・水垢とり GSR」です。固くなってしまったウロコ水垢も除去することができます。
ウレタンスポンジを使用することで、キズを付けずに水垢を落とすことができます。
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汚れが酷ければプロに相談
お風呂の清掃はハウスクリーニングの中で最も大変といわれています。プロが掃除をしても4、5時間はかかります。
必要な洗剤を揃えたとしても、やはり経験がなければ水垢除去は難しいものです。さらに、危険も伴います。
汚れがひどい場合には無理をせずに、プロに相談をしましょう。
まとめ
- お風呂の水垢は数種類の成分から構成されている
- 成分に合わせた洗剤を使用しなければ効果はない
- 水垢除去は危険を伴うので無理はせずにプロに任せる