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換気扇の油汚れに苛性ソーダを使う際のリスクを解説

キッチン換気扇の油汚れ おそうじ

苛性ソーダとは、水酸化ナトリウムの通称であり、主に工場排水などの中和剤として使用されています。

油汚れにも有効であることが知られているため、ハウスクリーニングでも使用している業者は多いです。
実際に使用してみると、頑固な油汚れでもすぐに分解してくれます。

安価であり、清掃業界でも重宝されている苛性ソーダですが、使用にあたっては、様々な危険も伴います。

そこでこの記事では、換気扇掃除に苛性ソーダを使う際のリスクや注意点について解説します。

苛性ソーダ使用に伴うリスク

換気扇の油汚れ掃除に苛性ソーダを使用する場合、主に2つのリスクがあります。
ここでは、人体への影響素材への影響について解説していきます。

人体への影響

人体へのリスク
  • 皮膚に触れたら局所の腐食や炎症を起こす
  • ミストを吸引すると気管や肺が炎症する
  • 目に触れると失明の可能性がある
  • 飲み込んでしまうと死亡の恐れがある

苛性ソーダは劇物指定されている危険な薬品であり、万が一触れてしまうと、危険があります。
そのため、使用する際には十分な注意が必要です。

水に溶かすと蒸気が発生するので、保護メガネや防塵マスクは使用すべきでしょう。
もし、皮膚や目に触れてしまった場合は、大量の水で洗い流し、医師の診断を受けてください。

素材への影響

素材へのリスク
  • アルミニウム、錫、亜鉛は腐食する
  • 腐食後に可燃性ガスが発生する
  • 素材の塗装などが剥がれ落ちる
  • 素材に変色や液だれの跡が残る

油汚れがひどい場合は、苛性ソーダを溶かした水溶液に換気扇の部品をつけ置きする必要があります。
つけ置きをすることで汚れが落ちやすくなりますが、高い確率で塗装の剥がれや変色が起こります。
使用上は特に問題はありませんが、見た目が悪くなってしまうので、できれば避けたいものです。

塗装が剥がれた換気扇のフィルター

塗装が剥がれた換気扇フィルター

苛性ソーダは使用すべき?

様々なリスクがある中で、本当に苛性ソーダを換気扇の掃除に使用すべきでしょうか。
メリットデメリットを比較した上で、使用すべきかどうかを考えてみます。

メリットとデメリットを比較

メリット
  • 汚れ落ちが良い
  • 値段が安い
デメリット
  • 身体へのリスクがある
  • 素材の腐食を招く
  • 十分な保護具が必要
  • 念入りな濯ぎが必要
  • 安易に購入できない

苛性ソーダを掃除に使うメリットは、正直なところ、汚れ落ちと値段の安さくらいです。
その割にはデメリットが多いので、個人的には苛性ソーダはおすすめしません。

苛性ソーダ以外のお勧め洗浄剤

以前、私もハウスクリーニングの現場では、苛性ソーダを使用していました。理由は、それしか知らなかったからです。
頑固な汚れには苛性ソーダ。と思っていましたが、決してそんなことはありません。

油汚れに最適な洗浄剤は他にもあるので、ご紹介しておきます。

油汚れ用強力洗剤ニューケミクール

ニューケミクールは、苛性ソーダと比べても遜色ないくらいに強力に油汚れを分解します。
水溶液の濃度や温度を適正にすれば、素材を傷める心配もありません。

実際に私は、換気扇の掃除にはニューケミクールを使用していますが、変色や腐食はこれまでありません。*素材やつけ置き時間によって、変色の可能性あり。
換気扇の掃除には、一番お勧めの洗浄剤です。

万能エコ洗剤セスキ炭酸ソーダ

セスキ炭酸ソーダは、安全に使用できるエコ洗剤です。
油汚れにも効果はあり、その他、血液、皮脂汚れなども落としてくれます。

一般家庭用(200g程)であれば、100円ショップでも販売されています。
油汚れの日々のお手入れには、最適な洗剤です。

少しの汚れにはマジックリン

換気扇の網やレンジフード周辺のちょっとした油汚れを落としたいのであれば、スプレータイプが便利です。
マジックリンをスプレーして、しばらく置いておくだけでキレイに油汚れが拭き取れます。

まとめ

  • 苛性ソーダは油汚れにも有効である
  • 使用するには多くのリスクが存在する
  • 油汚れに最適な洗浄剤は他にもある