酸性洗剤と塩素系漂白剤を混ぜると有害ガスが発生する！【体験談】

洗剤や漂白剤に、「混ぜるな危険」と書かれた表示を見たことがあると思います。
洗剤同士を混ぜることはないし大丈夫だろうと思っていても、ふとした事が原因で事故に繋がることがあります。

上記のようなお悩みや経験がある方は、記事をご覧ください。

例えば、お風呂の洗剤にはカビ取り用の塩素系漂白剤（カビキラーやハイター等）と、水垢除去用の酸性洗剤（お酢の力、クエン酸等）があります。
これらの洗剤を一緒に浴室に置いているご家庭もあるでしょうが、同時に使用してしまうと危険です。
なぜなら、ほんの少しだけ混ざっただけで有害ガスが発生してしまうからです。

ハウスクリーニングを生業としている業者さんも、知識があるからと安心してはいけません。
時間に追われて作業している中で流し忘れなどがあり、洗浄剤同士が混ざってしまうこともあります。

実は私自身もハウスクリーニング業に転職して間もない頃に、塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜてしまったことで大変な目に合いました。
知識はあったのですが初歩的なミスで事故寸前という状態に陥りました。

そこで今回は、洗剤や漂白剤の取り扱いの注意点を、私の実体験も踏まえてご紹介しようと思います。
正しい知識を備えて使用方法を守ることで、安心して洗浄剤を使用することができます。

塩素ガスとは

刺激性があり空気より重く、発生すると低いところを流れる気体。塩素系漂白剤と酸性洗剤が混ざることで発生する。低濃度でも鼻や喉、目に刺激を感じ、吸入すると肺水腫を起こすことがある。許容濃度を超えると塩素ガス中毒、急性呼吸不全を起こし、最悪の場合は死に至る可能性もある。

代表的な塩素系の漂白剤

• カビキラー
• キッチンハイター
• キッチンブリーチ

代表的な酸性洗剤

• サンポール
• お酢のチカラ
• クエン酸クリーナー

カビキラーやサンポールは市販品でよく使用されている洗浄剤です。万が一これらの洗剤が混ざった場合には、塩素ガスが発生してしまいます。

洗剤以外でも発生

塩素ガスは、酸性洗剤以外の身近なものでも発生する可能性があります。
食酢やレモンなどに、塩素系漂白剤が触れると塩素ガス発生の要因となってしまいます。そのため、生ゴミや、洗い残しのある食器等に塩素系漂白剤をかけるのは注意が必要です。

有害ガス発生の実体験

有害ガスは人体にどのような影響を起こすのか、実際の私の体験をお伝えします。
私の場合は、お風呂のクリーニング作業中に酸性洗剤を使用して水アカの除去作業をしていた時、体調に異変を感じました。

実はこの時、最初に行ったカビ取り用の塩素系漂白剤が流しきれていなかったのです。
塩素ガスが発生していると気づき、換気をして対処をしましたが少量のガスを吸い込んでしまいました。その時の症状は次のようなものでした。

強烈な刺激臭

まず最初に感じた異変は、強烈な刺激臭でした。これまで嗅いだことのない匂いで、とにかく不快な臭いです。
危ないと感じてすぐに換気を行いましたが、咳が止まらず、気持ち悪くなり、吐きたい気分でした。
マスクはしていましたが、ほとんど効果はなかったです。

溢れでてくる涙

目からは涙が溢れ出て、作業どころではありません。最初はピリピリと目が痛みだして、その刺激は徐々に強くなっていきました。
塩素ガスは目や皮膚、気道に対して腐食性があります。腐食性物質に触れると熱傷を起こし、気道など体内に入ると咳や嘔吐の症状が出ます。

苦しくなる呼吸

熱傷を起こしてしまったせいか、呼吸をするたびに咽てしまい、苦しくなりました。呼吸困難とまではいきませんでしたが、息が出来ない感覚を味わいました。
ガスの発生にすぐに気付いたから良かったものの、本当に危ない体験でした。

正しい使用方法

事故を発生させない為にも、正しい知識と使用方法を学んでおきましょう。

防護着を装着

塩素ガスが発生しなくても、洗剤や漂白剤を使用する際には防護着の装着は必須です。
以下は装着すべき防護着の一覧です。

• ビニール手袋
• 防護メガネ
• 帽子
• 防護マスク
• アームカバー
• カッパ

ビニール手袋は液だれから腕にかかってしまうこともあるので、長めのものがオススメ。
特に守らないといけないのは、目、鼻、口です。マスクは市販の医療用マスクではなく、防護マスクがより安全です。常に最悪の場合を想定してリスク管理を行いましょう。

不要物の除去

レモンと塩素系漂白剤でガスが発生するように、何が原因で事故に繋がるかは分かりません。
洗浄剤を使用する前には、まずはブラシやスポンジで対象箇所の清掃を行い、不純物を取り除いてから洗浄剤を塗布しましょう。

濯ぎの目安

塩素系漂白剤を使った後に酸性洗剤を使用する場合。または、その逆も同様ですが、洗剤を使用した後は、水でしっかりと洗い流しましょう。
濯ぎの目安は、洗剤を塗布した箇所に３０秒〜６０秒です。
排水溝は洗剤が残っている可能性もあるので、十分に濯いでください。

まとめ